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2班の活動

第2班2013年度第3回研究会を開催しました。

日本の朝鮮学校における英語教育

2班の活動
2014/03/06
◆日 時:2014年1月18日(土) 15:00~16:30
◆場 所:龍谷大学 大宮学舎 清風館 301共同研究室
◆参加者:厳康秀、松村省一、李洙任、脇田博文、清水耕介、大瀧正子、朴伸次、本多善、井口京子、松井智子、学生1名(順不同、敬称略)計11名
 
【発表者】
 
厳 康秀 氏(京都朝鮮学園京都朝鮮中高級学校・英語科主任)
 
【発表題目】
 
日本の朝鮮学校における英語教育
 
【概要】
 
 第2班2013年度第3回研究会では、京都朝鮮学園京都朝鮮中高級学校の英語科主任である厳康秀先生に、日本の朝鮮学校における英語教育について、自らのご経験を中心にご発表いただいた。
 
 厳先生によると、朝鮮学校に通う多くの児童生徒たちにとって、母語は日本語であり、学校では第二言語として朝鮮語を、第三言語として英語を学習する。これらの3言語教育は小学校から行われ(朝鮮語9時間、日本語4時間、英語1時間/週)、朝鮮語については個人差はあるが入学後5ヶ月もするとほぼ全ての児童が朝鮮語での授業についてこられるようになるという。こうしたトリリンガルな言語環境におかれているため、間違えやすいこともあるが(例「ウィハヨ」と“for”“by”)、発音や文法の理解など、全体として児童生徒の英語習得は早いように感じられるという。
 
 また、朝鮮学校の児童生徒たちにとって、「自分が何者であるか」という問いは避けて通れない問題である。この問題についても、英語学習を通じて児童生徒に考えさせる工夫をしていると厳先生は述べる。例えば、教材の題材に「唐辛子の歴史」や「朝鮮半島の地図を初めて製作した人物」を取り上げたり、インタビューテストで「どこかの国でコリアンレストランを開店する」というシチュエーションで生徒に事前学習をさせ、発表させるなどの工夫である。実践的コミュニケーション能力を養成するためには、単なる語学の勉強だけではなく、コリアンとしての自己認識の涵養も重要であると厳先生は言う。
 
 同時に、英語は「共生のためのツール」である。英語学習を通じて、異文化を尊重する姿勢を児童生徒には学んで欲しいと厳先生はいう。勤務校にはALTをおいていないため、教諭らの個人的な繋がりを用いて、欧米の大学の学生や外国人留学生との交流の場を設けている。こうした場を利用して、児童生徒たちには様々な人々と交流し、自らを発信してほしいと厳先生は締めくくった。
 
 質疑応答では、大学進学のための入試対策や、英語教員の養成、教材制作の過程などについて様々な質問が挙げられた。その中で一つの論点となったのは、教材の中で示される「朝鮮(文化)」が何を指すのかという問題である。厳先生によれば、現在の教科書では、半島全体の朝鮮民族(の文化)を指しており、指導者や南北の分断については出てこない。しかし実際には、在日コリアンが「うりなら」(われわれの国)というとき、北朝鮮を指す人もあれば、半島全体を指す人もいる。在日コリアンは国籍や世代によって分断され、状況もニーズも一層多様化している。このような中でどのような教育を行うかは非常に難しい課題である。議論の中では、こうした状況をアイデンティティ・クライシスとして否定的に捉えるのではなく、活かせる方法があるのではないかという指摘もあった。一例では、「越境人」の育成を掲げ、レベルの高い英語教育を行っているコリア国際学園のような実践がある。そうしたニーズや実践があることを認めつつ、「国家との付き合い方」は生徒個人、また家庭によって様々な考え方があるが、朝鮮学校としては少なくとも「言語という財産」、「歴史という知識」、「朝鮮人の友人」を子どもたちに提供したいと述べた。
 
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