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2班の活動

第2班2013年度第2回研究会を開催しました。

グローバル言語としての英語―世界宗教を教えることへの挑戦―

2班の活動
2013/07/08
◆日 時:2013年7月8日(月) 11:05~12:35
◆場 所:龍谷大学瀬田学舎智光館B103共同研究室
◆参加者:大場智美、松村省一、脇田博文、李洙任、長嶺寿宣、大瀧正子、朴伸次、松井智子、学生12名(順不同、敬称略)計20名
 
【発表者】
 
大場 智美 先生(龍谷大学短期大学部講師、2012年度アフラシア第2班公募研究員)
 
【発表題目】
 
グローバル言語としての英語―世界宗教を教えることへの挑戦

Struggle to Teach World Religions in English as a Global Language: Teaching the World by Teaching the Words

 

【概要】

 

 第2班2013年度第2回研究会では、前年度の第2班公募研究員であった大場智美先生(龍谷大学短期大学部講師)に、前年度の研究成果についてご発表いただいた。

 大場氏はまず、近年、英語を母語としない英語話者が世界的に増大しており、それに伴い英語がもはや英米文化から離れていると指摘する。言語・文化・コミュニケーションは密接に結びついているが、もはや英語が英米文化のみと結びつくとは前提できない。例えば、日本の英語教育の教材は、英語圏の文化だけではなく、非英語圏の文化も含む「異文化理解」を題材として取り上げているものが多い。

 他方、世界的に使用されている英語教育の教材では、“PARSNIP”がタブーとされている。PARSNIPとは、「政治、アルコール、宗教、性、麻薬、イズム、豚肉」を指す。大場氏は特に宗教に着目し、日本の英語教育においても宗教が通常扱われないことの問題を指摘する。英語教育において宗教を教えることは、911以降イスラム教に対する偏見が増大していること、異文化理解を促進する「信者との対話」が可能になるということ、学習者の「自己アイデンティティの確立」、「批判的能力」ならびに「他者受容能力」を養うこと等の意義がある。

 そこで大場氏は、2002年より世界宗教を英語教育に取り入れる実践を開始している。具体的には、「様々な宗教を信仰している信者との対話」を目的としたタスク活動と、目的を達成するためのフィールドワークを行っている。フィールドワークでは、異なる宗教の人々が平和的に共生している神戸において、神社や寺院、教会、モスク等を訪問し、信者らの話を英語で聞くという交流をもつ。学生には十分に事前学習指導を行い、不適切な服装や質問・批判がないように教員が指導する必要がある。このような授業実践により、英語教育を通じて、多文化理解を促進することが可能である。

 最後に、教育が行われる場所によっては、世界宗教を題材として扱える場合とそうでない場合がある。世界宗教を題材とした英語教育実践は押し付けられるべきではなく、その地域の状況によって配慮が必要であると、大場氏は締めくくった。

 

【質疑応答】

 

 大場氏の発表に対し、まず「宗教を題材とした英語教育実践は教育のどの段階でするべきか」、「生徒の英語能力にばらつきがある場合、どう対応するか」等、授業実践に関する質問が参加した学生からあった。次いで、「世界宗教」という用語の定義や、授業実践の時期など簡単な事実確認のあと、主に以下の論点が議論となった。

 一点目は、教育効果の問題である。社会に宗教をめぐる根深いコンフリクトがあることを知らないままに、英語能力という制約がある中で宗教を教えた場合、結局ステレオタイプを再生産してしまうのではないか。また、学生がこの授業を通してどのような気付きを得たか、アンケート等で明らかにする必要があるという指摘があった。

 二点目は、リサーチ・クエスチョンの設定の仕方の問題である。「なぜ英語教育において宗教を語らなければならないのか」という問いが設定されているが、授業実践では、個別の宗教がどのようであるか、という知識を与える内容となっているため、両者が噛み合っていないという指摘があった。

 これらの指摘に対し、大場氏は、ステレオタイプを乗り越えたり、宗教を語るとはいかなることかを理解したりするためにも、「信者と対話する」という実践が重要ではないかと応答した。

 

【発表者プロフィール】

 

大場智美(OHBA, Tomomi)
龍谷大学短期大学部講師。専門分野はTESOL(英語科教授法)Global Issues in EFL Educationお よびCritical Pedagogy研究。コロンビア大学教育大学院(Teachers College)修士号取得。論文「多文化社会の宗教理解教育」(単著、滋賀大学教育学部附属教育実践総合セン ター紀要172009年)、 「ソーシャル・インクルージョン教育の取り組み」(単著、龍谷大学論集478 2011年)などがある。近年は英語教育と他分野との学際的研究に関心がある。
 
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