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3班の活動

第3班2012年度第3回研究会を開催しました。

3班の活動
2012/12/13

 

3班の活動

2012/11/30

 

 

現代ミャンマーの農業発展

―イネ・コメからみる管区ビルマと少数民族山地―

 

 

報告者: 松田 正彦 氏

 

立命館大学国際関係学部准教授。博士(農学、京都大学)。専門は熱帯農業生態学、農業・農村開発、ミャンマー地域研究。国立民族学博物館地域研究企画交流センター研究員、国際協力機構(JICA)長期専門家(ミャンマー農業灌漑省)などを経て2006年より現職。

 

◆開催日時:20121130日(金) 10001130

◆開催場所:龍谷大学瀬田学舎 智光館B103-104共同研究室

◆参加者:清水耕介、大津定美、ウィリアム・ブラドリー、河村能夫、大瀧正子、本多善、他(順不同、敬称略)

 

【概要】

 

3回研究会では、松田正彦氏が「管区ビルマと少数民族山地のイネ・コメ」の研究を通して、現代ミャンマーの農業発展について報告した。松田氏は、政府主導により農業発展が進められてきた中央の農村は比較的貧しい傾向にあるとし、他方、政府主導でない周辺の少数民族山地の方は、自立性もあって比較的豊かなようにみえることを説明した。中央部の方が貧しいという現状を示すものとして家計支出額を挙げ、ミャンマー農村部の家計支出額にみられる地域差からその現状を説明した(2001)。ミャンマー中央部は計画経済政策の中で生産目標が設定されており、灌漑排水設備を投資して稲作ができるよう中央政府が政策実行してきた。ミャンマー中央政府の農業政策の中心は自給自足といったイネ・コメの安定供給であり、「コメの計画生産」「コメの増産計画」「コメ輸出の制限」を通して、主食の低価格供給を目指す。ミャンマーの社会主義・軍政時代は、コメの安定供給が安定した社会と政権維持に繋がるとされており、政府主導による一連の農業政策から、軍政下時代の社会構造を説明した。

後半は周辺部の農業発展を説明するため、シャン州北部に位置するムセ群に注目して報告を行った。シャン州北部の最北端のムセには南北二つの境界があり、最北の境界は中国と隣接し、南部の境界はクッカイ群と隣接する。ムセ群とクッカイ群との境界付近にはチェックポイントがある。川で国境が仕切られているが国境の管理は徹底されていない。実際にはミャンマー側からコメ、トウモロコシ、北部の国境中国側からはガソリン、化学肥料等がムセに入る。農業は水田稲作が中心であるが、バイクや携帯を所有するムセの人々がいる。その町並みはビルマと対照的といえる。また、ムセでは中国から入荷されたハイブリッド米といったハイブリッド品種を積極的に作っている。クッカイのチェックポイントさえ越えれば、ムセは経済上、いわゆる中国の経済特区のような機能を果たしている。上述のように、シャン州北部では、ミャンマー中央政府の影響を多少は受けながらも、中国雲南省側との交易も盛んであり、市場として利用されている。国境を越えたローカルな繋がりを活かし、公然にはできない非合法の抵抗活動(密輸)によって、生業(集約的水稲作)を経済的に成功させている。国境地域のシャン族稲作民のしたたかな戦略を垣間見ることができるとした。

次に周辺としての農業をさらに分析するために、松田氏はシャン州南部の「特別行政特区」に焦点を当てて報告した。通常ではコメの生産に関して、政府の政策の影響を受けやすい、棚田で稲作を行い米の自給を促進するはずであるが、実際にシャン州南部の少数民族パオ族の少数民族組織PNO (Pao National Organization)の支配区では、ニンニク畑栽培が積極的である。PNO 1991年に中央政府と和平合意し、「第6特別区」となった。行政・経済活動・文化において独立性を保持している。過去においても主要作物の作付け計画・政府供出は実施されておらず、近年のコメ増産計画や山地農業開発計画からも距離を置く。計画経済的な農業政策がここではみられない。米の政策もほとんど離れている。陣地戦的な抵抗戦略(行政特別区の維持など)によって、土地利用や農作物作付けにおける中央政府による介入を受けず、独自の山地農業を展開できた陣地戦略的な抵抗戦略によって独自の山地農業を展開できたことを報告した。

 会場からは生産価格について、生産/消費によって価格決定されない要因や水田管理の手法に関する質問が出た。また政治的な視点としては、民主化という政治闘争がある一方、周辺地域では積極的な交流があった点から、実は闘争の要因となった軍政支配は中心部だけのことではないかといった議論が成された。松田氏は生産価格については、ミャンマー政府がイネ・コメを安くで買い取って、化学肥料・ディーゼル等のモノとして農家に提供しているケースを挙げた。また周辺地域には確かに曖昧な境界がある一方、政府による農家へのコントロールは依然として強かったことを強調した。

 

 

 DSC_0058.JPGのサムネール画像

 

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