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1班の活動

第1班2012年度第2回研究会を開催しました。

1班の活動
2012/12/01

移動と信仰:東部インドネシア・フローレス島の最近の事例を中心に

報告者:青木恵理子 氏(龍谷大学社会学部 教授)

日時・場所:2012年10月20日土 龍谷大学大宮学舎 清風館301研究室

 

2012年度の第1班第2回研究会を10月20日に行った。今回の研究会では青木恵理子氏(龍谷大学社会学部)が「移動と信仰:東部インドネシア・フローレス島の最近の事例を中心に」というテーマで報告をおこない、仮にウォロソコと名付けられた村での参与観察にもとづく事例研究から、文化概念や社会科学といった近代の知に対して信仰現象のもつ新たな可能性を論じた。

 

青木氏によると、村ではカトリックとローカルな信仰とが対立することなく共存し、時には混ざり合う形で実践されているという。人口1700人ほどの村にはカトリックが根付いているが、それとともに土着の儀礼・信仰が共存しており、最近では大きな儀礼の際にカトリック神父が豊饒の寿ぎの踊り(ガウィ)に加わることも多いそうである。また村から移動する人々の間でも村の信仰・儀礼は重要な位置を占めており、病気治しや護身の呪文ができるという大儀礼のリーダーが、しばしば国内外の出稼ぎや移民に携帯電話を通じて呪文を送ったり、国内の他地域に出稼ぎ・移民しているウォロソコの近辺の人たちは移民先の教会でガウィを踊る様子をDVDにして故郷に送り、村からも同様のDVDが移民先に送られるという。このように村からの移動がローカルな信仰と社会関係からの切断にはならず、都市へ出稼ぎや勉強に行く時や外国の神学校に行く時にも村の儀礼・信仰は引き続き人々の生活の一部としてあり続ける。こうした事例は、しばしば想定されるような文化や信仰の境界は、現実には複雑に交差していることを教えてくれる。

 

移動と信仰の関係については近年研究が蓄積され始めているが、そうした研究の多くに、国家の境界を文化の境界とする暗黙の前提や制度・政策・組織論的枠組みを強調する姿勢、日常的で頻繁な移動に目が向けられることが少ない傾向があると青木氏は言う。とくに信仰現象が等閑視されがちである結果、研究者の枠組みで切り取られ、当事者のリアリティから乖離した「多文化」社会研究になる可能性も大きい。しかし信仰現象への着目は、しばしば想定されている文化・社会間の境界に疑問をつきつけることで文化相対主義を乗り越える契機となるとともに、「人間」を対象とする社会科学と「非人間」を対象とする自然科学という近代的な知のあり方を問い直し、その二つの領域にまたがる第三の領域の可能性を提示しうると主張した。

 

2012年1班第2回.JPG

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