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2005~2009年度
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3班の活動

第3班2012年度第2回研究会を開催しました。

3班の活動
2012/11/07

 

3班の活動

2012/10/9

 

国際連合における『ジェノサイド予防』システム構築への取り組み

―その課題と展望―

 

報告者: 渡部真由美 氏

 

東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障プログラム」博士課程。文教大学大学院国際協力学研究科非常勤講師。
英国ロンドン大学LSEにて経済学士、英国ヨーク大学大学院にて戦後復興研究修士号取得。専門はジェノサイド予防、平和構築、人間の安全保障。コソボ紛争時に現地で緊急人道支援・戦後復興支援に従事。2004年から2008年まで国連職員として国連事務局ニューヨーク本部に勤務(PKO局地雷対策部(UNMAS)、人道問題調整部(OCHA)人間の安全保障ユニット(HSU))。現在も国連の人間の安全保障基金の案件形成にアジア・アフリカの現地国連事務所コンサルタントとして協力する。

 

◆開催日時:2012年10月9日(火) 17:00~18:30

◆開催場所:龍谷大学瀬田学舎 智光館B103

◆参加者:清水耕介、ウィリアム・ブラドリー、中根智子、瀧口順也、佐藤史郎、朴伸次、桜井想、本多善、他(順不同、敬称略)

 

【概要】

 

第2回研究会では、渡部真由美氏が国際連合の「ジェノサイド予防」に焦点を当てて報告を行った。まず渡部氏は国連がなぜジェノサイドを予防できなかったかについて、「国際官僚組織」の本質的側面から考察した。

冷戦終結後、国連PKOの活動は積極的になり、国連による平和構築への期待が高まる中、ルワンダ・ボスニアなどで国連平和活動の失敗を経験する。その後、2004年には国連改革に関する『脅威・挑戦および変革に関するハイレベル・パネル』報告書、2005年アナン前国連事務総長報告書「より大きな自由を求めて:すべての人のための開発、安全保障および人権」を受けて、国連改革とジェノサイド予防が実質的に始まったことを紹介した。

渡部氏はこのような国連とジェノサイドの歴史的経緯を回顧した後、なぜ国連はジェノサイドを防げなかったのかについて国連のシステムから検証を試みた。その中で、国際官僚機構としての国連が抱く、二つの欠陥について説明した。一点目は国連システムの政治的欠陥である。国連事務総長は、国際平和及び、安全の維持を脅威する事項について、安全保障理事会に対して注意を促すことができる。つまり国連事務総長には注意を促すという限定的権限しかなく、実際の執行は安保理で決定される。二点目は国連システムの構造的欠陥であり、国連事務局と現場とのギャップを挙げた。国連事務局における本部文化と専門知識の欠如を指摘し、現場経験のない本部文化の課題と、現場における外部世界とのコミュニケーションギャップがあるとした。

続いて「介入と国家主権に関する独立国際委員会」(ICISS)の設立に際して、大きなパラダイムシフトがあったとした。設立以前は人道保護を目的とする武力行使は、介入主体に焦点を当てた「人道的干渉」であった。そこから「国家が人々を保護する責任」が果たせないとき、国際社会の責任が「不干渉原則」に優先するという「保護する責任」にシフトしていった。

最後に国連ジェノサイド予防特別顧問室の設立と近年の動向を述べた。特別顧問は、ジェノサイド発生の危険性がある人権侵害等の事象を情報収集することや、それらの情報を安全保障理事会へ報告すること、ジェノサイド予防の行動計画の助言・提言をすること、情報分析と管理といった職責がある。ジェノサイド予防のための情報は、現地のNGOやメディア等の情報源を受けて、現場から本部へと伝達される。この点においても、上述した国連の構造的ピットフォールがあると指摘した。ジェノサイド予防の課題と展望として、危機データベースの構築が急務であり、また顧問室の機能と能力に関する定期的外部評価が必要であるとした。また「保護する責任」に関する職責重複の回避が必要であるとした。

開場からは、「人道的干渉」から「保護する責任」にシフトすることで保護する客体に焦点を当てても、実際に保護すべき人々は客体化されたままであること、そして責任とは国家への責任であり、主権国家の概念を維持することを国際社会が容認する結果となっていることが指摘された。この点について渡部氏も、干渉から責任という言葉へのすり替えであるとして、保護される人々へ焦点を当てることが急務であるとした。また常任理事国を中心とした国連の制度自体の問題や、ジェノサイドのおこり方は多様にあるという現実、人権侵害に限らず言語を奪われること(この行為自体も暴力であること)も含めてジェノサイドをどう捉えるかといった積極的な議論が成された。

 

 

DSC_0132.JPGのサムネール画像

 

DSC_0133.JPG

 

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