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2005~2009年度
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アクティビティ

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2班の活動

第2班2011年度第3回研究会を開催しました。

2班の活動
2012/02/09

Multicultural Dialogue: Social Participation through Language Education

 

<第2班第3研究会>

2012年2月5・6日(日・月)に、龍谷大学深草学舎紫英間第2会議室において、第2班(コミュニケーション・言語政策)の第3回研究会が開催された。今回の研究会のテーマは「Multicultural Dialogue: Social Participation through Language Education」であり、日本や韓国における英語の教育、日本におけるマイノリティの現状と多文化・多言語教育、パブリック・ディスコースと言語教育などに関する発表が行われた。

 

■   開催場所: 龍谷大学深草学舎 紫英館2F東第2会議室

■   開催日時: 2012256

■   報告者と報告概要:

 

 Joo-Kyung Park, Professor, Honam University, South Korea

 “TESOL Training and Job Securing for Migrant Women in Korea: The rhetoric and the reality”

 

 本報告の目的は、韓国における教育学英語教授法(TESOL)の背景にある社会状況と本コースを受けた女性の現状を考察することである。

 近年の傾向として次の3点があげられる。第一に、韓国在住の外国人女性は韓国語能力、文化知識、社会ネットワークの不足や福祉制度の未発達により、周辺化されている。一方、第二に、韓国の社会では英語が国際語として認識されているため、英語教育において多様性や多文化的な要因を含むことが期待される。それによって、韓国に在住する多文化を代表する移住者にとって就労の可能性が増加すると思われる。また、第三に、TESOLのコースは英語話者の外国人女性をエンパワーすることが期待される。つまり、彼女たちの自己評価を向上させ、就労状況を安定させながら、それらの女性の経済的な状況を改善し、韓国社会へ貢献できる環境を与える。

 これらの現状を背景に、本調査の目的は、コースを修了した女性の1年後の変化、そして、彼女たちが抱える課題を考察することである。現在、5人の女性のインタビュー結果として挙げられるのは、まず、韓国語と韓国文化に関する知識不足、学校教育・教授法や、韓国人学生向けの英語教授法においての経験不足が問題となっている。それに加え、一部の韓国人、保護者や生徒からの、外国人への偏見が見られる。それにもかかわらず、全体的に、彼女たち自身は自分を英語の教師として高く評価しており、韓国での生活に満足を示していることが明らかになった。

 このように、TESOLのコースの成功は受講者の女性のニーズに答えていることにあるが、コースの主催者と受講者の間で常にコミュニケーションとサポートが必要とされる。そして、これらのコースは一時的なものではなく、定期的に行われるべきである。また、韓国の公務員と行政職員の育成と周辺化された人びとのエンパワーを同時に行うことによって、韓国における教育の現状が改善していくと考えられる。

 

  Kyung-Ah Kim, Assistant Professor, Honam University, South Korea

 「光州広域市における多文化家庭の結婚移民女性の外国語講師の活用に関する公務員の認識

 

 本報告では、統計的なデータが紹介された。一つ目のデータセットは、光州広域市に在住する多文化家族移住女性の就業教育の現状である。それらのデータによれば、女性が経済活動に参加する理由は、生活費を補うため(36.6%)である。そして、女性が希望する職業の中で最も多いのは外国語講師(20.0%)と通訳・翻訳者(14.8%)である。また、希望する職業教育として、美容技術(25.2%)と外国語講師(11.0%)があげられた。一方、光州広域市の公務員の調査に関して、次の結果があげられる。まず、調査に協力した公務員の中で、多文化社会の認識が見られた。それと同時に、多文化家族に住む外国人配偶者の仕事の緊急の必要性に関する認識もあることが明らかになった。それに加え、公務員の考え方として、英語の講師は外国での教育経験を持つ必要があることが指摘されている。

 

  Young-Ran Chae,Assistant Professor,

 “Korean Kindergarten Directors’ Perception toward Multicultural Teachers of English”

 

 本報告では、韓国における幼稚園園長のインタビュー調査の結果をもとに、韓国の幼稚園の英語教育について考察が行われた。

 近年の韓国の教育では英語に力を注ぎ、小学校の低学年における英語の授業数が増加してきた。例えば、小学校3~4年生の場合、英語の授業は週に2時間、5~6年生の場合、週に3時間行われるようになった。その影響で、小学校入学前の段階から英語の授業が求められるようになった。

 その結果として、光州広域市の95%の私立幼稚園においても英語に取り組む試みがあるが、現状では英語講師の不足が見られる。このような課題があるため、本調査で6人の幼稚園園長を対象に、幼稚園の英語教育に外国人女性を取り組む可能性について調査した。

 調査結果から明らかになったように、園長の期待は、良い発音、子どもの教授法の知識、英語へ関心を持たせながら、外国人女性が韓国の生活に馴染んでいくことが期待されている。しかし、現実では、次のギャップが明らかになった。まず、外国人講師の韓国語能力は不十分で、子どものニーズが理解できていない。そして、子どもの教授法に関する知識不足や、幼稚園のカリキュラムの理解不足である。また、子どもの理解不足や子ども向けの英語教授法の理解不足が見られた。このような状況において、今後も幼稚園と韓国在住の女性移住者の相互の取り組みが必要とされる。

 

 

  Toshinobu Nagamine, Associate Professor, Prefectural University of Kumamoto

  “EFL Student-Teachers' Perceptions of World Englishes: A Research Proposal

 

 本報告は、「諸英語(World Englishes)」に焦点を当て、今後の調査の目的や調査対象を紹介し、今後の研究の方向を明らかにしていくことを目的とした。

 過去の英語の教育、特に、ESL(English as a second language)とEFL(English as a foreign language)の場合、「講義」の仕方、教授法とその科目に関する知識が教授法の教え方の中心となり、学生・先生の会話が無視されてきた。一方、近年の教育において、講師の教育は現状に沿って行われ、学生・先生の会話が評価されるようになった。それに加え、教授法は一定の期間で修得できるものではなく、年々身に付けるものとしてみなされるようになった。しかし、現在ではESLとEFLはEIL(English as an international language)に変わっていく傾向が見られる。それにもかかわらず、日本において、英語の教授法はENL(English as a native language)を拠点とし続け、日本人のEFLの講師はENLを優先としている。

 このような、状況において、今後の研究の方向として考えられるのは、まず、英語教授法を専門とする学生・講師を対象に、それらの人々の「諸英語(World Englishe)」に関する認識について調査することである。そして、次に、「諸英語(World Englishes)」に関する学生・講師の考え方を明らかにすることである。最後に、「諸英語(World Englishes)」に関する理念をいかに英語のカリキュラム、教科書、教授法や評価へ取り組むことができるのかを考察することである。

 

 

  Masaki Oda, Professor, Tamagawa University

  "Public discourse and the Role of ELT Professionals

 

 本報告では、パブリック・ディスコースの構成と、それらのディスコースが一般市民へどのように伝わるのかという問題を外国語教育政策の観点から分析するプロジェクトを紹介することを目的とした。本プロジェクトの調査対象者・調査方法は、学生(インタビューや質問紙調査)、一般市民(新聞紙のリーダーの討論、WEBとSNS)、専門家の声(メディアやアカデミック・ディスコース)、キーワード(広告、ビジュアル・言語表象)である。

 報告によれば、東京周辺の私立大学に在学する80人の学生を対象に行われた質問紙調査から、小学校における「外国語活動」に関する回答について次のことが明らかになった。まず、「外国語活動」とは「英語の授業」というのが前提となっている。つまり、英語以外の言語は想定されていない。次に、「外国語活動」という科目を「授業」として検討する場合、それらを担当する先生が教員免許を所有し、学生に点数をつけるべきであるとされる。一方、「活動」として検討する場合、担当する先生は点数をつけないため、特別な資格が必要ではないという考え方があることが明らかになった。また、小学校における「英語の授業」の必要性を主張する学生は、「外国語は成熟期までに獲得しやすい」、「世界中の人々が英語を他の言語よりよく利用する」、「英語は世界で最も重要な言語である」、「言語を早めに勉強したほうがいい」、「英語は世界への門を開く」という理由から英語の授業の導入に賛成した。一方、反対する学生は次の理由を挙げた。「日本語を十分に獲得できていない小学校5-6年生にとって外国語教育は早すぎる」、「大量の英語の授業は日本語の獲得を困難にする」、「将来的に英語を利用する可能性がある学生は少ない」、「私立小学校において科目数が多くなる」という。

 一方、メディア・ディスコースの分析からうかがえる傾向は、まず、「大学の教授」であれば、専門にもかかわらず、対象分野に関する知識を有することが前提となり、記者や一般の市民から信頼されやすい。それにくわえ、記者からアクセスが容易な「教授」の意見は、世論に影響を及ぼすことになる。その結果、外国語教育と関係なくとも、「大学の教授」であるだけで、世論に大きな影響を与えられる。そのため、これらの一部の調査の結果に対し、ELTについて次のような措置が必要であると考えられる。それらは、まず、ELTの役割は言語を教えるだけではなく、学生や保護者を含め、一般の人々の考え方をモニターする必要がある。そして、ELT関係者が主体となり、言語の獲得に関する重要な情報を世論に伝えるべきであることが薦められる。

 

 

Julian Chapple, Associate Professor, Ryukoku University

"Multiculturalism, Language Education and the Myth of Acceptance in the Nation-State: Dangers and Wasted Benefits"

 

 本報告では、多文化主義国家において言語の役割と立場、特に英語とバイリンガル化の問題を日本に焦点を当てながら分析することを目的とした。近年、日本在住の外国人の子どもや国際結婚で生まれた子どもが増加したにもかかわらず、それらの子どものルーツや可能性は無視されてきた。それにくわえ、日本の教育政策においてもバイリンガルの子ども向けに日本語以外の言語を覚える支援は欠落している。つまり、「日本語」を中心とした言語政策は、それらの子どものバイリンガルの能力を開発するのではなく、日本語に集中した教育を通した同化を目的としている。その結果、子どもの不登校、学校における言語の問題、差別・いじめ、教職員への負担、退学という問題が増加する一方である。

 学校現場において前述のような問題が発生するにもかかわらず、バイリンガル化を支援する外国人学校はいまだに法律的に一般の日本の教育機関として認められていない。すなわち、日本にある外国人学校、いわゆるインターナショナル・スクールは学校教育法(2011)によって、「第一条」(この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする)に定められた学校としてではなく、調理学校、自動車教習所などと並んで「各種学校」として位置付けられている。

 このような教育の環境において、外国人や国際結婚カップルだけではなく、日本人同士のカップルも多文化・多言語教育の必要性を認識するようになってきた。例えば、「日本の学校教育において外国で働くためのスキルを身に付けられなく」、子どもに多文化的な環境に慣れ、より想像力や自己主張が強い人になってほしいため、インターナショナル・スクールの教育を選択する日本人の保護者が増加してきたという例をあげられる。

 結果的に、このような状況において、バイリンガルの学生が海外に流出し、日本ではなく、他の国がそれらの子どもの能力を利用し、利益を得ることになる。そのため、現在諸英語の教育の問題を乗り越え、日本における英語の教育を改善すること、国際理解教育のカリキュラムを導入し、教育機関やIB(International Baccalaureate)に関する認定を再検討する必要があるという課題に取り組まないといけない。

 

 

 

 

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